元居酒屋店長の家飲みおつまみ|10年やったプロが、家で本当に食べているもの

厨房技術

居酒屋で10年働いた人間は、家で何をつまみに飲んでいるのか。

「プロなんだから、さぞ手の込んだものを作ってるんでしょう」と思われるかもしれません。

先に答えを言うと——全然そんなことはありません。むしろ逆です。店であれだけ料理を作っていたからこそ、家では「うまくて、楽なもの」に一直線です。

今日は、店で人気だったおつまみの話から、私が家で本当に食べているもの、市販品への「ちょい足し」の技まで、家飲みの話を全部書きます。

まず店の話:強かったのは「たこわさ」と「なんこつの唐揚げ」

家飲みの話の前に、店の話をひとつ。

10年働いた店で、注文数トップクラスの定番おつまみといえば——たこわさなんこつの唐揚げでした。

派手なメニューではありません。でも、この2つは強かった。卓につくとまず生ビールと一緒に「あと、たこわさ」と言われる。なんこつは「もう一杯飲むか」となった時に追加される。お酒を注文させる力のあるおつまみなんです。

考えてみれば理屈は簡単で、たこわさはわさびの刺激で酒が進む、なんこつはコリコリした食感でつまむ手が止まらない。どちらも「味が濃い・食感が立っている・ちびちび食べられる」という、おつまみの三拍子が揃っています。

家飲みのおつまみ選びでも、この三拍子はそのまま使えます。覚えておいて損はありません。

で、プロは家で何を食べているのか

ここからが本題です。元店長の家飲みの実物を公開します。

その1:肉屋さんの店頭で焼いてる焼き鳥

いきなり「作らんのかい」と言われそうですが、これが一番です。

お肉屋さんが店頭で焼いている焼き鳥。あれは強い。プロの目で見ても強い。

理由ははっきりしていて、焼き場の記事で書いたとおり、焼き鳥のうまさは鮮度のいい肉を、いい火で、焼き慣れた人が焼くことでほぼ決まります。肉屋さんはその全部を持っています。肉は自前で鮮度抜群、毎日同じ台で焼いて、焼き加減は体に入っている。あれは「肉屋という名の焼き鳥専門店」です。

居酒屋で10年焼き物を見てきた人間が、家の分は肉屋で買う。これが答えです。

その2:するめを、ライターで炙りながら食べる

もうひとつの定番が、するめです。しかも食べ方が少々ワイルドで——ライターで炙りながら食べます。

炙ると香りが立って、身が少しやわらかくなって、同じするめが別物になります。本当は網で炙るのが上等なんでしょうが、飲みながらちびちびやるには、食べる分だけその場で炙るのがちょうどいい。一杯やりながら、炙っては噛み、炙っては噛み。原始的ですが、これがうまいんです。

※火の扱いだけはくれぐれもご注意を。換気と、燃えやすいものの近くでやらないこと。

市販品の最強格:「缶つま」プレミアム

「市販品で、店で出せるレベルのものはあるか」と聞かれたら、迷わずこれを挙げます。

缶つまです。特にプレミアムシリーズ

ただの缶詰と思ったら大間違いで、あれは「缶に入ったおつまみ料理」です。貝や肉の燻製、オイル漬け——そのまま皿に出して、うちの店のメニューに並んでいても違和感がないレベルのものがゴロゴロあります。

しかも缶詰ですから、買い置きできて、開けるだけ。急に飲みたくなった夜、冷蔵庫に何もなくても、棚に缶つまが2〜3個あれば店が開けます。元店長が言うのだから間違いありません。家飲みの「保険」として常備しておく価値があります。

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ちょい足しの技:安いつまみが化ける2つの方法

最後に、居酒屋で覚えた「市販品がひと手間で化ける」技を2つ。どちらも私が家でやっている実物です。

技1:さきいかを、天ぷらにする

コンビニでも買えるさきいかに衣をつけて、サッと揚げる。それだけでいか天になります。

さきいかはもともと味が凝縮されているので、揚げると衣の香ばしさと相まって、驚くほど「ちゃんとしたおつまみ」になります。居酒屋のメニューにも「さきいか天ぷら」を置く店があるくらいで、要は知っている人は知っている定番の技です。マヨネーズと七味を添えたら完璧です。

技2:6Pチーズを、フライパンでカリカリに焼く

6Pチーズをフライパンに置いて、両面をカリカリに焼く。これだけです。

チーズの表面が香ばしく焼けて、外はカリッ、中はとろっ。冷蔵庫の6Pチーズが、ワインにもビールにも合う一品になります。油も要りません(チーズ自身の油で焼けます)。焦げ目がつくまで我慢して触らないのがコツです——焼き魚の記事で書いた「触らない」の理屈は、チーズでも同じです。

まとめ

  • 店で強いおつまみの共通点は「味が濃い・食感が立っている・ちびちび食べられる」(たこわさ・なんこつの唐揚げが二枚看板やった)
  • 元店長の家飲みは肉屋さんの店頭焼き鳥ライターで炙るするめ。プロほど「うまくて楽」に一直線
  • 市販品の最強格は缶つま(特にプレミアム)。棚に2〜3個あれば、いつでも家が居酒屋になる
  • ちょい足しの技はさきいかの天ぷら6Pチーズのカリカリ焼き。安いつまみがひと手間で化ける

10年プロとして料理を作って出た結論が「肉屋の焼き鳥と炙りするめ」というのは、われながら笑ってしまいます。

でも、家飲みは戦いではありません。楽して、うまくて、今日の疲れがほどけたら勝ちです。今夜の一杯のお供に、どれかひとつ試してみてください。


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この記事を書いた人
店長ほりちゃん

店長ほりちゃん|チェーン居酒屋 正社員10年・元店舗責任者

22歳で入社。接客が大の苦手で厨房に逃げ込んだところから、人手不足でホールに駆り出され、3ヶ月で代行責任者、3年で店舗責任者へ。調理・接客・計数管理・スタッフ教育まで、店を丸ごと回す10年を過ごしました。

このブログでは、「いらっしゃいませ」も言えなかった人間がどうやって店長になったのか、その現場のリアルを書いています。

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