「居酒屋の正社員って、ぶっちゃけどうなの?」
飲食への就職・転職を考えている人が一番知りたいのは、きれいな求人票の文言ではなく、中の人の本音だと思います。
私はチェーン居酒屋で正社員として10年働きました。22歳で入社し、店舗責任者を経験して、最終的には同業他社に誘われて移るまで。この記事では、給料・役職の仕組み・勤務時間・年末年始のリアルを、良いことも きついことも両方書きます。
※金額や時間は当時の私の一例です。会社や時代によって大きく変わるので、あくまで「一つの実例」として読んでください。
この記事を書いた人
| 名前 | 店長ほりちゃん |
| 経歴 | チェーン居酒屋 正社員10年 |
| 入社時 | 22歳。接客が大の苦手 |
| その後 | 3ヶ月で代行責任者 → 入社3年で店舗責任者 |
| 得意分野 | 焼き場・魚さばき・原価管理・スタッフ教育 |
給料のリアル:役職で階段状に上がる
当時の月給は、ざっくりこんな階段でした(手当込みの目安・一例です)。
| 役職 | 月給の目安 |
| 入社時(一般社員) | 25万円前後 |
| 副主任 | 20万円台後半 |
| 主任 | 30万円前後 |
| 副店長 | 30万円台半ば |
| 店長 | 40万円前後+店舗売上に連動した歩合 |
ポイントは2つあります。
① 初任給は悪くない。深夜勤務を含む仕事なので、同年代の平均より高めスタートでした。
② 店長になると「売上連動」がつく。固定給に加えて、自分の店の売上の一定割合が上乗せされる仕組みでした。繁盛店を任されれば給料が跳ねる。店を良くすれば自分に返ってくるので、これはやる気に直結しました。
役職と「店長業務」のねじれ
ひとつ、業界の本音を書いておきます。
この会社では、副主任以上になると店舗責任者(=店長業務)を任せられる仕組みでした。そして売上規模の小さい店では、人件費の関係で、店長職ではなく下位の役職の人が店長業務を丸ごと担うケースがあります。
やっている仕事は店長と同じ。でも給料は役職どおり。……正直に言えば、割に合わないと感じる立場の人もいる構造です。飲食チェーンへの就職を考えるなら、「役職の給料」と「実際に任される業務」がどう対応しているかは、面接で確認する価値がありますよ。
勤務時間のリアル:15時〜翌朝5時
私の基本シフトは、15時出勤・翌朝5時退勤の週5日。うち2日は23時までの早上がりでした。
- 出勤したら仕込み、17時ごろ開店、ピークは19〜23時
- 終電後も宴会やお客さんは続き、閉店後に締め作業をして朝5時
- 帰って寝ると、世間は昼
完全な夜型生活です。体力的には、正直、若かったから何とかやっていけたというのが本音です。生活リズムが世間と真逆になるので、昼間の予定・友人・家族との時間は工夫が要ります。これから飲食を目指す人は、給料より先にここを覚悟してください。
年末年始のリアル:一年で一番の戦場
居酒屋の12月は、忘年会シーズンで一年最大の繁忙期です。
- 通常15時出勤のところ、昼12時出勤もざらにありました
- そして12/24・大晦日・元日は、アルバイトさんが一番休みたい日。シフトが埋まらない分は社員がかぶります
一番きつかった思い出も、ここです。人手の足りない店舗での年末年始。他店からのヘルプのアルバイトさん、エリアマネージャー、本社の人にまで店に入ってもらって、なんとか営業を回した時期がありました。会社総出で戦う12月——あれは今思い出しても、しんどかった。
でも同時に、店が一体になる面白さも、売上が跳ねる手応えも、全部この季節にありました。
それでも10年やってよかったこと
きつい話を先にしたので、得たものも正直に書きます。2つあります。
① 接客に自信がついた。「いらっしゃいませ」も言えなかった私が、です。人と向き合う仕事への苦手意識が消えたことは、その後の人生のどの場面でも効いています。
② 店舗運営を丸ごと学べた。調理、接客、売上管理、原価管理、シフト、採用、教育——店ひとつ回すのに必要な全部を、給料をもらいながら学べる。これは飲食正社員の最大の隠れ資産です。極端な話、やる気があれば自分の店を開業できるだけのスキルセットが10年で揃います。
まとめ:向いてる人・確認すべきこと
- 給料は悪くない。店長まで行けば売上連動で跳ねる
- ただし「役職」と「任される業務」のねじれは要チェック。面接で聞くべし
- 生活は完全夜型・年末年始は戦場。体力と生活リズムの覚悟が最初の関門
- 見返りは、接客の自信と店を丸ごと回せるスキル。独立の土台にもなる
居酒屋の正社員は、楽な仕事ではありません。でも「何も残らない仕事」でもありません。10年やった私の結論は——きつさの分だけ、ちゃんと力がつく仕事でした。

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