「居酒屋のバイト、始めてみたいけど怖い」
大きな声、忙しそうな店内、厳しそうな先輩。初めてのアルバイトに居酒屋を選ぼうとして、ちょっとひるんでいる人は多いと思います。
私はチェーン居酒屋で正社員として10年働き、店舗責任者として、たくさんの新人アルバイトさんを迎えてきました。最初はガチガチだった子が、1ヶ月後には楽しそうに働いている。その一方で、残念ながら最初の数週間で辞めてしまう子もいる。
その分かれ目は、能力ではありません。最初の1ヶ月の「過ごし方」です。
教える側として見てきた経験から、新人さんに伝えたい心得を5つにまとめました。
この記事を書いた人
| 名前 | 店長ほりちゃん |
| 経歴 | チェーン居酒屋 正社員10年 |
| 入社時 | 22歳。接客が大の苦手 |
| その後 | 3ヶ月で代行責任者 → 入社3年で店舗責任者 |
| 得意分野 | 焼き場・魚さばき・原価管理・スタッフ教育 |
心得1:声は「棒読み」でいい
最初の壁は、ほぼ間違いなく声出しです。「いらっしゃいませ」が恥ずかしくて言えない。
これについては、私自身の恥ずかしい実体験を別の記事に書きました。正社員なのに言えなかった人間からの結論はこうです。
気持ちはこもってなくていい。棒読みで1回だけ言ってみる。
1回言えたら2回目は楽になります。気持ちは、ずっと後から追いついてきます。教える側も、棒読みだからといって怒ったりしません。声が「出ている」ことがまず合格ラインです。
心得2:メモ帳は最強の武器
居酒屋の新人が最初に覚えることは、想像より多いです。メニュー、略語、卓番、ドリンクの作り方、下げ物のルール……。
全部をその場で覚えられる人はいません。だからポケットにメモ帳です。
教える側の本音を言うと、メモを取る新人は圧倒的に信頼されます。理由は単純で、同じ質問が2回来ないからです。逆に「はい!わかりました!」と元気よく返事して、翌日同じことを聞いてくる子は、3回目から教える側の心が折れます。
覚えられなくていい。書いてあればいいんです。
心得3:質問は「タイミング」が9割
新人の質問は大歓迎です。ただし、居酒屋には質問していい時間と、ダメな時間があります。
- ❌ 金曜19時、注文が殺到している最中に「これって何ですか?」
- ⭕ 開店前の仕込み時間、ピークが落ち着いた21時半、閉め作業中
忙しさの波を見て、凪のタイミングで聞く。これができる新人は「現場が見えている」と評価されます。ピーク中にわからないことが出たら、「後で聞くリスト」としてメモしておく。心得2のメモ帳がここでも効きます。
心得4:失敗は「隠さない」が鉄則
お皿を割る。注文を間違える。ドリンクをこぼす。最初の1ヶ月、失敗は必ずします。全員します。私も網に張り付いたシシャモをボロボロにした人間です。
大事なのは失敗しないことではなく、失敗した瞬間に報告することです。
注文ミスは、すぐ言えば作り直しが1品で済みます。黙っていると、お客さんを待たせて、クレームになって、被害が10倍になる。居酒屋のトラブルは時間との勝負なので、「失敗の一報が早い新人」は現場で一番ありがたい存在なんです。
怒られるのが怖い気持ちはわかります。でも現場が本当に怒るのは、失敗そのものではなく「報告が遅れたこと」です。
心得5:1ヶ月は「できなくて当たり前」の期間
最後に一番大事なことを。
最初の1ヶ月は、できなくて当たり前の期間として設計されています。教える側は誰もあなたに即戦力なんて期待していません。期待しているのは、来ること、メモすること、報告すること。それだけです。
1ヶ月経つと、不思議なことに体が勝手に動く瞬間が増えてきます。ホールの歩き方、声の出し方、忙しさの波の読み方。頭ではなく体が覚える仕事なので、続けてさえいれば必ず慣れます。
辞めたくなるピークはだいたい2〜3週目です。そこは「今が一番きつい地点で、ここから楽になる」と知っているだけで越えられます。
まとめ:最初の1ヶ月チェックリスト
- 声は棒読みでいい。出ていれば合格
- メモ帳を持つ。同じ質問を2回しないため
- 質問は凪のタイミングで。ピーク中は「後で聞くリスト」へ
- 失敗は速攻報告。怒られるのは失敗ではなく遅い報告
- 1ヶ月はできなくて当たり前。きついピークは2〜3週目、そこを越えれば楽になる
居酒屋バイトは、確かに忙しい仕事です。でも接客が大の苦手だった私が10年続けられた場所でもあります。この5つだけポケットに入れて、初出勤に行ってらっしゃい。

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